非鉄+鉄 簡単溶接
Tig溶接棒 MTA-YB5

鉄と非鉄の溶接は大変難しいのが現状です。高い技術と知識、経験がモノをいう世界であるため、請け負ってくれる溶接会社も少ないです。しかし、弊社が開発した新Tig溶接棒「MTA-YB5」を使えば、とても簡単に鉄と非鉄、あるいは非鉄同士の溶接が行えます。なぜそんな溶接が可能になったのか。理由は明白です。鉄と銅の混晶合金「MTA合金」が誕生したからです。

製品名:MTA-YB5
成分:Cu-5Fe
サイズ:φ1.2 1.6 2.0 2.4 3.2 x 1000mm
引張強度:355.2 – 363.8 N/㎟
伸び:21.8%-23.4%

Ⅰ. 銅と銅合金の溶接、その現状
銅/COPPERは電気・熱の導電体であるため電気材料として多く使われている。溶接時、熱伝導度が高いため、予熱を十分にして高い電流を流して使用する。
溶接棒は母材より強度の高いリン青銅、ケイ素マンガン銅、青銅が被覆された溶接棒を使う。
黄銅/BRASSは溶接熱で生じる毒性の蒸気(亜鉛・酸化亜鉛)、溶接部の多孔性、変色(亜鉛含有量減少)などの問題で溶接が厳しい。
溶接棒は母材と同じ調性のものが良いが、亜鉛の含有量が多いのは困難。
青銅/BRONZEは黄銅より溶接しやすく母材の変形も少ない。但し、高温脆性があり衝撃及び応力集中に注意を払う必要がある。
また鉄+銅合金の溶接、ステンレス+銅合金の溶接は非常に幅が広くて難しいことで設計に適用することが簡単ではない。

Ⅱ. 銅/銅合金溶接がなぜ難しいのか
1. 熱伝導率が高く、冷却速度が早い。
2. 銅中の酸化銅(Cu2O)を含む部分が純粋な銅に比べて溶融点がやや低いので、先に溶融されて割れが発生しやすい。
3. 熱膨張係数は軟鋼より約50%大きいため、冷却による収縮と応力集中が起こり、亀裂が発生しやすい。
4. ガス溶接、その他の溶接方法で還元性雰囲気の中で溶接をすると、酸化銅は還元(Cu2O+H2=2Cu+H2O)となる可能性が大きくなる。この時、容積は減少してスポンジ状の銅になるので、さらに強度を弱める。
5. 水素のように拡散性の大きいガスを析出し、その圧力によりさらに弱点が調整される。
6. 銅は溶融される時に深い酸化を起こし、ガスを吸収しやすく、溶接部に気孔等が発生しやすい。したがって、溶接用銅材料は電解銅よりも脱酸銅を使用し、また溶接棒を脱酸銅溶接棒または合金溶接棒を使用しなければならない。

Ⅲ. 溶接の種類
1. 被覆アーク溶接
– 予熱を十分にして使う。
– ニッケル青銅が使用される。
– スパッター、スラグ混入などの不良が多い。
2. ガス溶接法
-真鍮溶接に用いる。
-発生した気孔はピーニング作業で取り除きながら使用する。
-板厚6mmまではスラグ混合に注意する。
3. 不活性ガスタングステンアーク溶接
-直流正極性(DCSP)を使用する。
-溶加材は脱酸された銅棒(copper rod)を使用する。
-板厚6mm以下に対して多く使用される。
-電極はトリウム(Th)を含むタングステンロッドを使う。
4. 不活性ガス金属アーク溶接
-板厚3.2mm以上に主に使用する。
-銅、シリコンブロンズ、ALブロンズに最適。
5. はんだごて
-簡単に継ぎ目が出来、銅合金は銀はんだがしやすい。
-はんだの価格が高いのが欠点。

Ⅳ. 考えられる溶接と接合部分の強度(MPa)
1・鉄と銅 – 200
2・鉄と黄銅 – 250
3・鉄とリン青銅 – 280
4・SUSと銅 – 200
5・SUSと真鍮 – 250
6・SUSとリン青銅 – 280
7・黄銅と黄銅 – 322
8・黄銅とリン青銅 – 316
9・黄銅と銅 – 230
10・銅と銅 – 209
11・銅とリン青銅 – 205
12・リン青銅とリン青銅 – 385

© 2024 MTA Alloy Co.,Ltd.